Monday, May 01, 2006

*体験者の方のお話*
千夏さん

9年前に豊胸手術を受けた千夏と申します。 私も
インプラントは一生ものだと考えていた者の一人
ですので手術した事実を忘れたいとさえ思って
いました。 多少記憶が曖昧ではありますが、
これから 手術をしようと考えている方や術後の
経過が芳しく ない方にとっての参考になれば、と
思い私の経験を 掘り起こし てみることにします。
・22歳で最初の手術、現在31歳 ・130~150ccの
シリコン バックを大胸筋下に。
・1度目&2度目・・・硬膜外麻酔 
 3度目&4度目・・・全身麻酔 ・既婚 出産経験
なし 身長156㎝ 体重43kg 痩せ型 ・豊胸前の自胸
はほとんど ない状態。

【22歳:最初の手術】 元の胸の左右の大きさが違って
たため、 大きい方の胸には20ccほど小さいバックを
入れてもらいました が、結局左右でサイズの異なる
バッグを入れた場合、左右 対称にするのはより難しく
なるようです。 痩せればもともとあった脂肪もなくなり
ますし。
~術後の経過~
右胸・・・アンダーがずいぶん下の位置にあり、ピリピリ
感があり まだまだ下がっていきそうな感覚。
左胸・・・右とは逆にアンダーは上の方に。ピリピリ感も
無く剥離した筋肉がどん どん元に戻ろうとする傾向。
マッサージの効果虚しく、3ヶ月経ってもアンダーバスト
位置の違いは改善されず。 同じ美容外科に相談。

【2度目の手術】 最初の手術から3ヵ月後・・・左胸の
ポケットを広げる、アンダーを右に近づけるための手術
最初の時と同様、 左に関してはピリピリした感覚が
ほとんど無く、バックの周りの筋肉が張っている感覚。
期待した結果は得られず。 この時も硬膜外麻酔
でしたが手術中首の左側の筋肉が縮んだ状態のまま
となり頭が左側にかたむいたまま 手術を終えたので
この手術の後2年近く左側の首から肩、背中にかけて
ひどいコリが続く。2度目の手術の結果を見て、最初の
美容外科医に対して不信感を抱く。 今思えば
このような状態は医師の技術的問題ではなく私の
体質によるものなのか もしれません。同じ美容外科の
待合室で言葉を交わすようになった方も2度の手術を
受け、その後は割と満足されていたようですので。
それでも、相談した医師が発する言葉などを思い返すと
それ以上医師に会いたく無いという気持ちになる。
「アンダーが少々下がっていてもどうせインプラントは年
を とらない胸なんだから」 「寝たらわからないよ」 など。
この頃、先生に対して強く主張することが出来なかった
自分の弱さについては後悔 しています。 左右対象で
ないアンダーの位置がどうしても受け入れられず美容
医療協会から紹介 してもらった医師のところで
カウンセリングを受ける。
A医師の提案・・・インプラントが上に上がっている左胸に
ついてはバストの下を 切ってアプローチし、やり直し。
B医師・・・左胸は脇の下からアプローチし今入っている
バックを取り出し、一度乳腺下に入れてから、3ヵ月後
再び大胸筋下へバックを入れ替える。(筋胸下に出来て
しまったカプセル(膜)が3ヶ月くらいたったら自然消滅
するという考えでした)アンダーの下がっている右胸は
収まって欲しい位置のラインで何箇所かを 糸で縫い、
剥離した筋肉が元に戻るのを助け、定着したら抜糸。
まだ若かったのでバストの下に傷跡が残る事を避けた
かったことと、右胸についての提案にも救いを感じ
B医師にお願いする。

【3度目&4度目の手術】・・・全身麻酔 費用などの都合
もあり、2度目の手術から2年ほど経ってからの手術
でした。
右胸・・・希望通りとまではいかないまでも、最初の位置
よりは満足できる位置まで上がる。
左胸・・・術後ドレーンをつけてリンパや血液が溜まら
ないようにする処置をしていただくが結局最初の2度と
同様にバックの周りは右に比べて張ったような感じ。      
超音波マッサージもしばらく受けましたが、効果が
あったようには思えません。 (かといって超音波を
受けてなかったらもっと拘縮が進んでいたのかも
しれません。)
左右のアンダーの違いはやはりありますが、最初に
比べればマシになったので 「人間の体に異物を入れて
おいて左右対称にするなんていうのは難しいことだ」 と
自分に言い聞かせ、妥協点を見出して今に至ります。
何度も繰り返し全身麻酔をかけることにも不安が
ありますし。

最初の手術後から5年間ほどは肺が圧迫されるような
息苦しさ、胃痛、背中の痛みが 消えませんでした。
そのような痛みはだいぶ治まりましたが、今でも時々
深く息を吸い込んで肺に酸素を届けてあげないと
しんどいと感じる時がよくあります。
(ダイビングや、シュノーケリングで長時間海の中に
いる時の感覚と似ています) 豊胸したことにより胃に
何か影響があるのかというと、その関連は定かでは
ありませんが、 少なくとも私の場合は確実に豊胸後に
胃が弱りました。 内蔵に何らかの負担がかかるのかも
しれません。 豊胸することによりそれまでのコンプ
レックスを取り去ることができたのは確かですが、 豊胸
により体に不調が生じたり将来の健康に不安を抱くのも
事実です。 特に仰向けになると自然な胸とは明らかに
違いますので、自身のバストが元々ほと んどないという
方が豊胸をした場合、男性の目を誤魔化すのも難しい
でしょう。

豊胸後、もうすぐ10年になろうとしていますが、最近
右側のインプラントが更に上に上がってきつつあります。
時々ズキンと胸が痛む時も出てきました。 再び拘縮が
始まっている可能性があります。 最近では頻繁に
クラクラと眩暈がするので膠原病ではないかという
不安もあります。
2年前に妊娠6ヶ月で原因不明の死産を経験して
いますが、このような事が起きる度にシリコンによる
何らかの影響があったのではないかという思いを
抱かなければなりません。
今、私に出来ることとしてまずは健康診断を受け、
自分の体に起きている変化を見逃さないように
しなければと考えています。

これから豊胸を考えている方には、現時点のことだけ
でなく将来のこともふまえてじっくり考えてもらいたいと
思います。 泣く思いをするのは他の誰でもない豊胸する
本人ですから。 将来に渡って自分の体を信頼して託す
ことのできる医師であるか。失敗したら再手術or抜去
する予算はあるのか。 失敗しなくとも将来インプラントの
劣化による再手術が必要な場合もあるでしょ う。
何かが起きた時に受け止めて対処していくだけの
精神力、覚悟があるのか。 私が9年前に豊胸をした時点
ではインプラントは一生ものであり、一度手術すれば
理想のバストが手に入ると考えており、豊胸による
後遺症があるなどということは全く知りもしません
でした。実際にはそんなに簡単なものではありません。
勿論、一度で希望通りの胸を手に入れたという方も稀に
いらっしゃるでしょうが、 何らかの不満、不安を抱え、
その思いを内に秘めている方の方が多いのではないか
と思います。 私の場合、左胸の拘縮以外にも最初の
手術後、左胸の乳首から左半分の神経が傷ついた
らしく、 感覚が元に戻らないという後遺症も抱えて
います。

この9年間を振り返ってみて、豊胸したことにより
さんざん泣く思いもしましたが、 それまでのコンプ
レックスを解消して人生をより豊かなものにしてくれたと
いうこ とについては否定しません。
(4度も手術しているので傷が癒えて安定していた時期
はごく短い期間ですが)ですので、豊胸に対して絶対
反対という立場ではありませんが、 ずいぶん多くの
代償(健康不安・後遺症)を支払わなければならないと
いうリスク を孕んでいるということを皆さんに知って
おいてほしいのです。
どうしても豊胸したいという方は、 まさか私がこんな
目に、という状況になる前にしっかりと豊胸について
勉強し、信 頼できる医師を選んでください。 今では
インターネットを通じて様々な情報が手に入りますので
医師の言葉だけでなく、 ぜひ、経験者の声にこそ耳を
傾けてほしいと思います。
今後、再手術となるのか抜去を選択するのか、私
自身の方向もまだ決まっていませんが、 何かしら進展が
ありましたらまたご報告させていただきます。

***千夏さん UP DATE  MAY 2006***

先日、健康診断に行ってきました。 血液検査、心電図、
胸部X線どれも異常なし。 乳がんを調べるエコーの際
には先生にインプラントについて伝え、 痛みがあることも
伝えた上でしっかり診てもらいました。結果、何の異常も
みられないとのことでした。
エコーで診る分にはインプラントも破損の心配はないよう
です。安心した反面、やはり異常がないのならこの
ズキンとした痛みは何なのだろうかと考えてしまいます。
大胸筋下に入れているので、筋肉になにか起きて
いるのか。乳腺下に入れた人はこのような痛みはない
のかしら。 などと考えを巡らしています。
とにかく、現段階では異常がないということなので
あまりネガティブに考えることなく、様子をみようと思い
ます。 私も琴美さんに背中を押してもらったおかげで
初めて胸のエコーを受けて安心することができました。
今、不安を抱えている皆さんも健康診断等でお医者様に
診ていただき、少しでも安心できる材料を得られれば
ずいぶん気分が晴れるかと思います。

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